なぜなぜ分析は必ず現場、現物・現実で行う

なぜなぜ分析は、問題や事柄に対する理由を注意力ややる気などの意識論で出してしまってはいけません。的確な具体策を見つけるのが難しくなります。

例えば、
住所の記載ミスがあった
>それはなぜか
>注意力が足りなかった(意識論)
>注意力が不足したのはなぜか
>寝不足だったから
>寝不足になったのはなぜか
>遅くまで起きているから
>・・・・現場とは遠ざかる可能性が高いですね。

本来のなぜなぜ分析で検証すべき点は、住所の記載ミスがあったので、再度同じことが繰り返されないように、現場の仕組みや行動への視点で原因を探っていく必要があるのです。解決策に至る一例を出してみましょう。

住所の記載ミスがあった

>それはなぜか、を「どのようにして起きたのか」もしくは「何がそうさせたのか」と問い換えてみるとなぜなぜ分析本来の道筋に沿いやすくなるでしょう。この例の場合、書き間違いなのか、タイプミスなのか、聞き間違いなのか、見間違いなのかなどが考えられるでしょう。

>タイプミスによるものだった
>タイプミスはなぜ起きた?
>伝票を見間違えた
>伝票を見間違えたのはなぜ?
>数字が見にくい
>数字を見にくいのはなぜ?
>フォントが適していない
→ 伝票作成時のフォントを変更する
(フォントが小さいならポイントを10から12に変更するなども考えられます。)

誰の責任なのかは論点ではない

なぜなぜ分析は、誰が問題を起こしたのか、誰が原因でこの結果を招いているのか、誰に責任があるのかを追求するためのものではありません。あくまで解決策を見出し、同じことが起こらないようにするためのものです。

分析の中で解決策に行きつかない場合は、論点が責任追及になってしまっているか、前述の意識論にずれているなどやり方が間違っていることがほとんどです。

ダブルブッキングをしてしまった >【アポインター】の調整管理不足

訪問日時を間違えた >【営業】の注意不足

行きつくところが人になってしまうと、具体的な解決策とは言えないのです。
人が間違いを犯す確率はゼロにはなりませんし、間違う可能性のある問題というのは、ひとりに対してだけでなく誰にでも起こり得るものだからです。

責任追及に陥らないためのコツがあります。人の間違いの場合は、「情報」「判断」「行動」の段階に分けて分析してみましょう。下記の項目に当てはめてなぜを問い、原因を追及することで思わぬ解決策の必要性に出会うこともあります。

「情報」
情報自体が間違い、聞き間違い、見間違い、読み間違い、写し間違い
「判断」
判断の間違い 判断の可否、捉え方の間違い 気付きがあったかなかったか
「行動」
行動の仕方の間違い 行動自体の間違い、押し間違い、入れ間違い

これらによって、作業の手順、方法、管理方法、ものの配置、表示方法、設備などの改善すべき部分を明らかにすることができます。

なぜなぜ分析で身に付く能力

上記のことで、なぜ?の答えには、「しっかりと考える」という思考力が必要なことがお分かりいただけると思います。普段、当たり前のように何気なく理由づけしていることも、少し深く考えてみると意外な結論に達することがあります。

なぜなぜ分析を意識して実践を繰り返していくことで、日頃の作業や業務の中で「気付き」が得られやすくなります。しっかり見抜こうとすることからの洞察力やあらゆる可能性を探ることから発想力も鍛えられます。

繰り返しているうちに、弱点や欠点など潜在していたものが見えてくるようになり、問題を解決する力が付いていくのです。「気付き」がすべてをより良くしていく第一歩なのです。